癌(がん)の障害年金② – 血液系
白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫
今回は、がんの障害年金の中でも【血液系】に絞って説明させていただきますね。
血液・造血器疾患は、臨床像から次の3つに大別されています。
ア 赤血球系・造血不全疾患
(再生不良性貧血、溶結性貧血等)
イ 血栓・止血疾患
(血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症等)
ウ 白血球系・造血器腫瘍疾患
(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)
すなわち、ここ(癌のページ)では、ウ についての認定要領を記載します。
【1級】
A表Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、
B表Ⅰ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
【2級】
A表Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、
B表Ⅱ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
【3級】
A表Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、
B表Ⅲ欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
A表
|
区分 |
臨床所見 |
| Ⅰ |
1 発熱、骨・関節痛、るい瘦、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染性、肝脾腫等の著しいもの |
| Ⅱ |
1 発熱、骨・関節痛、るい瘦、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染性、肝脾腫等のあるもの |
| Ⅲ | 継続的ではないが治療が必要なもの |
(注1)A表に掲げる治療とは、疾病に対する治療であり、輸血などの主要な症状を軽減するための治療(対症療法)は含まない。
(注2)A表に掲げる治療に伴う副作用による障害がある場合は、その程度に応じて、A表の区分をⅡ以上とする。
B表
| 区分 | 検査所見 |
| Ⅰ |
1 末梢血液中のヘモグロビン濃度が 7.0g/dL 未満のもの |
| Ⅱ |
1 末梢血液中のヘモグロビン濃度が 7.0g/dL 以上 9.0g/dL 未満のもの |
| Ⅲ |
1 末梢血液中のヘモグロビン濃度が 9.0g/dL 以上 10.0g/dL 未満のもの |
検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、血液・造血器疾患による障害の程度の判定にあたっては、最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行うものとする。特に、輸血や補充療法により検査数値が一時的に改善する場合は、治療前の検査成績に基づいて行うものとする。
★診断書を依頼する際は、直近の検査結果の中で最も数値が悪かった日の現症日で依頼するのもポイントかもしれません。
障害の程度を一般状態区分表で示すと、次のとおりです。
| 区分 | 一般状態 |
|---|---|
| ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
| イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
| ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
| エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
| オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
血液系の癌の障害認定基準の数値は、正直、ハードルが高いと感じています。
血液・造血器疾患の病態は、各疾患による差異に加え、個人差も大きく現れ、病態によって生じる臨床所見・検査所見もまた様々なので、認定にあたっては上記の他、他の一般検査、特殊検査及び画像診断等の検査成績、病理組織及び細胞所見、合併症の有無とその程度、治療及び病状の経過等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定されます。
【造血幹細胞移植の取扱い】
①造血幹細胞移植を受けたものに係る障害認定にあたっては、術後の症状、移植片対宿主病(GVHD)の有無及びその程度、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する。
②障害年金を支給されている者が造血幹細胞移植を受けた場合は、移植片が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。

