脳疾患の障害年金②~高次脳機能障害/失語

高次脳機能障害の障害年金

高次脳機能障害に関しては、脳損傷に起因する認知障害全般、日常生活または社会生活に制約があるものが認定の対象となり、診断書は「精神の診断書」を使用します。(※失語がある場合は「言語の診断書」も使用することがあります。)高次脳機能障害について、精神の診断書に上手く落とし込む方法をご存知でない医師も多いので、やはり私ども障害年金社労士のサポートは必要ではないでしょうか。

主な症状は、次の通りです。(その他にも数多くの症状がございます。)
①記憶障害:今話した内容をすぐに忘れてしまう
      少し前に食べた食事内容を忘れる
      2~3日前の出来事を忘れる
②注意障害:一つのことから他のことへ切替えできない
      二つのことを同時にできない
      洗面・歯磨きが済んだ後に水を止め忘れる
③遂行機能障害:目的に合わせて効率よくできない
        自分で一日の生活を計画的に過ごせない
④半側空間無視:左側にある人や物を無視してぶつかる
⑤失認:よく知っている人の顔がわからない
    日にちと時間がわからない
    迷子になる
⑥社会的行動障害:感情のコントロール低下
         欲求のコントロール低下
         固執性
         意欲低下、抑うつ
⑦失語:言われていることが理解できない
    なかなか言葉を思い出せない
    言い間違えが多い
    文字や文章が理解できない
    病前に書けた字が書けない
    病前にできた簡単な計算ができない

上記症状を、精神の診断書表面「⑩障害の状態 イ.左記の状態について、その程度・症状・処方薬等を具体的に記載してください。」、診断書裏面「⑩障害の状態 ウ.日常生活状況 の 2日常生活能力の判定」の書き方について、医師にどのように依頼するかが社労士の腕の見せ所です。

また、脳出血→高次脳機能障害が残った 場合、肢体の障害2級+精神の障害2級=併合1級の可能性もでてきます。

失語症の障害年金

失語症は、「聞いて理解する」「読んで理解する」「書く」にわたって支障がある言葉が出ない症状で、左脳の言語領域に障害があると言葉が上手く使えなくなります。診断書は「言語」の診断書を使用します。

ただし、基本的には、精神の診断書だけで2級以上を十分に評価できるのであれば、必ずしも言語の診断書と併せて2枚の診断書を提出する必要はないと私は考えています。

高次脳機能障害の障害年金では、
・記憶障害
・注意障害
・遂行機能障害
・失認
・社会的行動障害
などによる日常生活能力の低下を、通常は精神の障害用診断書で評価します。

一方、失語症については、言語の診断書で評価することも可能です。評価は、日常的に使用する単語や文章が話せるか又は理解できるかを確認します。単語、2~3文節の短文、4~6文節の長文を言ってもらい、その内容を理解しているかを確認します。
ただし、年金機構は最終的に総合認定を行いますので、
・精神の診断書だけで2級相当が明らか
・失語症の程度を追加しても等級が上がらない
・失語症の状況が精神の診断書や病歴就労状況等申立書で十分把握できる
というケースでは、精神の診断書のみで請求することは実務上よくあります。

むしろ、
・精神の診断書だけでは2級に届くか微妙
・失語症が重く、コミュニケーション能力が障害の中心である
場合には、言語の診断書も提出した方が有利になるでしょう。

言語の障害認定基準には1級が無く2級・3級・障害手当金しか等級がありません。

まとめ

障害年金の診断書は1枚当たり1万円が相場です。2枚準備するには2万円。更に、言語の診断書も提出するために高額な費用のかかる検査を求める医療機関もございます。

「精神の診断書だけで十分そうか」
「言語の診断書も付けた方が安全か」
を検討されたいのであれば、お近くの障害年金専門社労士へご相談されることをお勧めします。

 

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