大腿骨頭壊死症【人工関節、かつてステロイド投与あり】 障害厚生年金3級

このお客様はフルタイムで勤務しており、仕事と並行して障害年金の申請手続を進めることに負担を感じていました。必要書類の収集や申立書の作成、年金事務所とのやり取りには相応の時間と労力がかかるため、「専門家に依頼した方が早く、確実に進められる」と考え、当事務所へご相談いただきました。

ある日、警備員として勤務中に左脚の違和感が出現し、1か月後から歩行時に響くような痛みが生じ、次第に左足を引きずるようになりました。更に1か月後、激痛で立ち上がれず、医療機関を受診して即日入院し、左大腿骨頭壊死症と診断されます。大学病院へ転院しましたが、壊死範囲が広く、骨切り術では悪化する可能性があるとして人工股関節置換術を勧められました。ところが、いったん痛みが軽減したので復職しましたが、再び悪化して3か月後に休職。左人工股関節置換術を受けました。

障害年金の審査途中で、診断書に既往症として「ITP(特発性血小板減少性紫斑病)」の記載があったことから、追加資料の提出を求める返戻がありました。ITPの治療では副腎皮質ステロイドを使用することがあり、今回の請求傷病である左大腿骨頭壊死症との因果関係を確認する必要があるため、ステロイドの使用時期、頻度、投与量などを病歴・就労状況等申立書へ詳しく記載するよう求められたものです。つまり、因果関係があれば初診日はITPの初診日までずれ込み、小学生のときでしたので厚生年金加入中ではなく、不支給になってしまうのです。これに対し、当時の医師は既に退職し、診療記録も廃棄されていたため治療内容の確認は困難でしたが、小学6年生で口腔内出血を契機としてITPと診断され、ステロイド治療を受けたものの、小児ITPは短期間で自然軽快することが多く、発症から30年以上経過した現在の大腿骨頭壊死との関連性は低いとの見解を提出しました。

その後の審査では、最終的には、ITPの治療時ではなく、大腿骨頭壊死として初めて医療機関を受診した日が初診日として認定されました。その結果、障害厚生年金3級が障害認定日に遡って認められました。審査に必要な事実関係を確認するため、ご本人にも30年以上前に受診した病院まで足を運んでいただくなど、多大なご協力をいただきました。古い病歴が関係する障害年金請求では、当時の診療記録が残っていないことも少なくありません。それでも、可能な限り資料を収集し、治療経過や傷病同士の関係を丁寧に整理して説明することが、適切な初診日の認定につながる重要なポイントです。

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