びまん性汎細気管支炎の障害年金申請|初診病院が廃院していた中、確定診断先の受診歴から初診日を整理した事例
この案件で難しかったのは、最初に受診した病院がすでに廃院しており、通常の方法では初診日を証明できなかったことでした。
一方で、確定診断を受けた大病院の受診歴は確認でき、ご本人は新卒以来ずっと厚生年金に加入していました。
そこで、これまでの受診経過と加入状況を整理し、確定診断先の受診日をもとに申請を組み立てました。
初診病院が廃院し、初診日を証明できない状態からのご相談
この方は、びまん性汎細気管支炎による障害年金を請求したいものの、最初に受診した病院がすでに廃院しており、初診日の証明ができないとのことで当事務所へご相談いただきました。
難病の場合、確定診断を受けるまでに複数の医療機関を受診していることが少なくありません。
今回も、最初の病院の記録は取得できませんでしたが、その後に受診し、びまん性汎細気管支炎と確定診断された大病院については受診歴を確認することができました。
また、ご本人は新卒時から現在まで継続して厚生年金に加入していました。
そこで、これまでの医療経過を整理したうえで、確定診断を受けた医療機関の受診日を基準として申請しました。
結果として、初診日はそのまま認定されました。
実務上のポイント① 初診病院が廃院していても、そこで申請を諦めない
障害年金では初診日の証明が非常に重要です。
しかし、初診日が古い場合には、
- 病院が廃院している
- カルテがすでに廃棄されている
- 医療機関名を覚えていない
- 確定診断まで複数の病院を受診している
といったケースもあります。
その場合、単に「最初の病院の証明が取れないから申請できない」と考えるのではなく、次に受診した医療機関の記録、紹介状、診療経過、年金加入状況などから、どこまで初診日を整理できるかを検討することが重要です。
実務上のポイント② 呼吸器障害では検査数値と一般状態を確認する
呼吸器疾患の障害年金では、病名だけで等級が決まるわけではありません。
診断書に記載される、
- 動脈血ガス分析値
- 予測肺活量1秒率
- 一般状態区分
- 酸素療法の有無
- 日常生活・就労への影響
などを総合して判断されます。
この方は、身体障害者手帳取得時の動脈血酸素分圧が59Torr、現在も67Torrであり、少なくとも障害厚生年金3級に該当する可能性が高いと考えました。
実務上のポイント③ 「働いている=障害年金に該当しない」ではない
この方は障害のある状態でも就労を続けていました。
しかし、3週間ごとに14日間連続で点滴通院を続けており、治療そのものが日常生活や仕事に大きな負担となっていました。
さらに、治療と体調の影響から、外回りの営業職を続けることが難しくなり、内勤へ異動。その結果、給与も減少していました。
障害年金では、就労しているという事実だけを見るのではなく、どのような配慮や職務変更を受けながら働いているのか、治療のためにどの程度仕事が制限されているのかまで確認することが重要です。
びまん性汎細気管支炎で障害厚生年金3級に認定
申請の結果、障害厚生年金3級に認定されました。
今回のように、初診病院が廃院していても、その後の受診記録や診療経過、年金加入状況を整理することで申請できる場合があります。
この方は新卒以来ずっと厚生年金加入中の方でしたので、どこへ初診日が決定されても大丈夫という安心感がありました。
また、呼吸器疾患では、「仕事を続けている」「一見すると普通に生活している」というだけでは実際の負担は分かりません。
検査数値だけでなく、治療頻度、職務変更、体力的な制限、就労上の配慮まで具体的に整理することが、障害状態を正しく伝えるうえで重要です。
今回、外回りから内勤へ異動となり、収入も減っていたとのことでしたので、障害年金が少しでも生活の支えになればと思います。
とても前向きな方で、私自身もお会いするたびに励まされるお客様でした。
この度はご依頼いただき、ありがとうございました。

