線維筋痛症の障害年金申請|心療内科と整形外科を連携し「肢体の診断書」を完成させた事例
この案件で難しかったのは、線維筋痛症の主治医である心療内科では、障害年金の「肢体の障害用診断書」に必要な身体計測や動作評価まで記載することが難しかったことでした。
そこで、リハビリで通院していた整形外科にも協力をお願いし、身体機能の評価は整形外科、線維筋痛症としての病状や医学的所見は心療内科の主治医に確認していただき、診療科をまたいで申請に必要な情報を整えました。
「線維筋痛症の診断書を書いてもらえない」とのご相談
この方は、線維筋痛症の治療のため心療内科へ通院していました。
しかし、障害年金を検討して主治医へ相談したところ、必要となる肢体の診断書については作成が難しい状況でした。
主治医から「一度、社会保険労務士へ相談してみては」と勧められ、巡り巡って当事務所へご相談いただきました。
詳しく医療経過を伺うと、線維筋痛症の治療とは別に、リハビリのため整形外科にも通院していることが分かりました。
ここから、診断書をどのように完成させるかを検討しました。
実務上のポイント① 線維筋痛症では「誰に診断書を書いてもらうか」が問題になる
線維筋痛症では、痛みや倦怠感などを心療内科・精神科等で診てもらっている一方、関節可動域や筋力、日常生活動作などの身体機能については、別の診療科で確認していることがあります。
今回も、心療内科の主治医だけでは、肢体の診断書に必要なすべての項目を評価することが難しい状態でした。
そこで、
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身体の計測・機能評価
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日常生活における動作の障害
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補助具の使用状況
などは整形外科で確認していただき、線維筋痛症そのものの病状や治療経過については、心療内科の主治医に確認をお願いしました。
一つの診療科だけで必要な情報がそろわない場合に、実際の通院状況から「どの医師に何を確認してもらうか」を整理することが、この案件の大きなポイントでした。
実務上のポイント② 「痛い」だけではなく、何ができなくなっているかを整理する
この方の重症度分類はステージⅡで、トリプタノールやサインバルタによる治療を受けていました。
手指、手首、首、背中、腰、股関節などに鈍痛があり、突然、電気が走るような強い疼痛も繰り返していました。
特に首はほとんど動かせず、夕方になると頭痛、肩の痛み、耳鳴りなども強くなっていました。
障害年金では、単に「全身が痛い」と記載するだけでは、生活上の制限が十分に伝わりません。
そこで、
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首をどの程度動かせないのか
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手指を使う作業にどのような支障があるのか
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通勤電車の揺れでどの程度症状が悪化するのか
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帰宅後はどの程度横になっているのか
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服薬による眠気や集中力低下が仕事へどう影響するのか
といった形で、疼痛や倦怠感を具体的な日常生活・就労上の制限へ置き換えて整理しました。
実務上のポイント③ 働いていても、働き方の変化を見る
この方は元々フルタイムで勤務していました。
しかし、痛みと倦怠感が強くなり、フルタイム勤務を続けることが難しくなったため、パート勤務へ変更されていました。
また、鎮痛薬のトラムセットを勤務中に服用すると頭がぼんやりして仕事に支障が出るため、服用時間を夕方へ変更するなど、働き続けるための工夫もされていました。
障害年金では「働いているか、働いていないか」だけを見るのではありません。
フルタイムからパートへ変更した理由、勤務中にどの程度無理をしているのか、服薬や症状によって業務がどのように制限されているのかまで確認することが重要です。
線維筋痛症で障害厚生年金3級に認定
申請の結果、障害厚生年金3級に認定されました。
線維筋痛症の障害年金では、検査数値だけでは障害状態を表しにくく、さらに主治医の診療科によっては、障害年金診断書に必要な身体機能の評価が難しいこともあります。
そのような場合には、単に「診断書を書いてもらえない」で終わらせるのではなく、現在どの診療科へ通院しているのか、それぞれの医師がどの部分を評価できるのかを整理し、申請に必要な医学的情報をそろえる方法を検討することが重要です。
また、この方のように外見上は障害が分かりにくい場合、周囲から理解されにくく、ご本人が「仕事で迷惑をかけている」と自分を責めてしまうこともあります。
無理のない働き方を続けながら、障害年金が生活を支える一助になればと思います。
この度は当事務所へご依頼いただき、ありがとうございました。

