慢性疲労症候群の障害年金申請|EBウイルス感染後から続く倦怠感と生活障害を整理し2級認定

この案件で難しかったのは、強い倦怠感やブレインフォグ、発熱、光・音過敏など、外見からは分かりにくい症状が生活全体をどの程度制限しているのかを、障害年金の審査で伝わる形に整理することでした。
特に慢性疲労症候群では、「疲れやすい」という言葉だけでは障害の重さが伝わりません。そこで、1日の活動量、横になっている時間、通院前後の状態、ご家族から受けている援助まで具体的に確認しました。

EBウイルス感染後、疲労感が12年間続いていた

このお客様は、約12年前にEBウイルス感染症に罹患しました。
当時、医師から「しばらく疲労感が続くかもしれない」と言われ、回復することを期待しながら仕事を続けていましたが、疲労感は改善しませんでした。
半年後には微熱、関節痛、強い倦怠感も続くようになり、ご自身で調べたところ慢性疲労症候群の症状に似ていることに気付きます。
専門医を受診した結果、慢性疲労症候群と診断され、医師から休養を勧められたことから退職しました。

出産後さらに症状が悪化し、家族の援助が必要に

第1子出産後は、実家のお母様が家事を手伝うようになり、その後、ご主人も在宅勤務の多い職場へ転職されました。
発症から約5年後、第2子を出産した後には眩暈や関節痛がさらに悪化しました。
現在では、朝起きた時点から強い全身倦怠感があり、ブレインフォグ、喉のリンパ節の腫れ、37~38℃の発熱、耳鳴り、光・音過敏、頭痛などが生じます。
午後には横になってしまうことが多く、さらに身体の内部から感じるような疼痛も現れ、線維筋痛症も併発しました。
通院するだけでも大きな負担となり、受診の数日前から体調を整え、帰宅後は寝込んでしまう状態でした。

実務上のポイント① 「倦怠感」を具体的な生活障害へ置き換える

慢性疲労症候群では、「強い疲労感があります」というだけでは、その重症度が十分に伝わりません。
そこで今回は、

  • 朝起きた時点からすでに強い倦怠感がある

  • 午後には横にならなければ過ごせない

  • 通院のため数日前から体調を整える必要がある

  • 外出後は反動で寝込んでしまう

  • 家事や育児を家族に頼らざるを得ない

  • ブレインフォグにより考えたり集中したりすることも難しい

など、「何ができないのか」「活動した後にどう悪化するのか」まで具体的に整理しました。

実務上のポイント② 診断書の数値だけでなく、日常生活との整合性を見る

今回の診断書では、PSは7、一般状態区分は「エ」と評価されていました。
しかし、診断書の評価だけを提出するのではなく、病歴・就労状況等申立書でも、
「なぜPS7なのか」
「なぜ一般状態区分エなのか」
が分かる生活実態を記載することが重要です。
今回は、長時間活動できないこと、午後には臥床が必要になること、通院そのものが大きな負担になっていること、ご家族の援助がなければ日常生活を維持することが難しいことなどを具体的に整理しました。

実務上のポイント③ 長い病歴では「少しずつ悪くなった過程」を整理する

慢性疲労症候群のように長期間続く傷病では、発症から現在まで同じ状態だったわけではありません。
今回も、

EBウイルス感染症
→ 疲労感が残る
→ 微熱・関節痛・強い倦怠感
→ 退職
→ 出産後の症状悪化
→ 日中の臥床時間増加
→ 線維筋痛症の併発

というように、12年間の経過を時系列で整理しました。
長い病歴では、単に「12年間ずっと具合が悪かった」とまとめるのではなく、いつ何ができなくなり、生活上の援助がどのように増えていったのかを段階的に示すことが重要です。

慢性疲労症候群で障害厚生年金2級に認定

申請の結果、障害厚生年金2級に認定されました。
慢性疲労症候群は、外見だけでは病状が分かりにくく、「疲れているだけ」と受け取られてしまうこともあります。
しかし実際には、起床、家事、外出、通院、育児など、日常生活のあらゆる場面で活動量を調整しながら生活している方も少なくありません。
障害年金の申請では、病名だけでなく、どの程度活動すると症状が悪化するのか、どれくらい横になっているのか、家族の援助がどの程度必要なのかまで具体的に整理することが大切です。
長年療養を続けてこられたご本人はもちろん、ご家族にも大きな負担があったと思います。障害年金の受給によって、少しでも無理をせず静養できる環境につながればと思います。

この度は当事務所へご依頼いただき、ありがとうございました。

 

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