全身性エリテマトーデス【不服申立、再請求】 不支給⇒1級へ

このお客様は、28年間も闘病生活を続けてこられ、その間ご病気の症状も変動が激しく、3年前ご主人の転勤に伴い東京へ転院されてからようやく症状が落ち着いた方でした。地方のお母様から東京の女性社労士を希望とのことでご依頼いただきました。症状が落ち着いたと言っても、これまでのステロイドパルス療法、ステロイド剤、免疫抑制剤、強い痛み止めの抗うつ剤使用による副作用と緑膿菌の感染で、皮膚症状、チアノーゼ、関節リウマチ、シェーグレン、大腿骨頭壊死、常時襲いかかる頭痛と全身の筋肉痛、胸水、多汗症による動悸・息切れは継続し、一人ではとても外出できません。このような方のために障害年金はあるのだと思いました。

最も症状が強く現れていたのは疼痛による動作制限でしたので、病院へ肢体の診断書を依頼しましたが、「肢体の診断書はリハビリテーション科に通院中の患者様にしか書きません」とお断りされました。やむを得ず、その他血液の診断書を依頼し、自覚症状の欄に、いわゆる肢体の診断書でいう⑱日常生活における動作の障害の程度を細かく記述していただきました。それでも審査の結果は3級相当として不支給でした。薬もトラマドールが処方されており、強い痛みがあることは明らかなのですが、「検査数値は安定している。処方されているプレドニンは5mgでありSLEとしては安定中。」「なお、肢体として認定するには、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性も考慮するところ、それらを確認することができないため肢体の障害を適切に認定することは困難」とのことでした。どうしても肢体の診断書が必要ということで、私も知恵をしぼり、他院の以前お世話になった関節リウマチ専門医へ頭を下げて肢体の診断書を依頼し、再請求したところ、障害基礎年金1級に認定されました。一方で、不服申立も同時に行いました。

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不服申立の第1審である審査請求の決定書が届きました。
そこには南山堂医学大辞典が引用されており、「全身性エリテマトーデスは代表的な全身性自己免疫疾患である。侵される臓器組織は、皮膚を代表として、腎、中枢神経、漿膜、血球など、極めて多彩である…重篤な臓器病変は中枢神経ループスで、意識障害、痙攣、精神病、髄膜炎などを起こす…」と説明されておりました。また、厚労省の全身性エリテマトーデスの重症度分類が表示されており、重度な症状は痙攣、重度の精神症状、器質性脳障害(記憶力低下、急性発症の変動する臨床症状、注意維持力の低下、知覚障害、支離滅裂な発言、不眠、精神運動活動の増加あるいは減少)、視力低下(SLEによる網膜の変化)、脳神経障害、ループス頭痛、脳血管障害、血管炎(潰瘍、壊疽など)が挙げられておりました。

完全に非該当ありきのSLEとしての病気そのものだけで判定されています。障害認定基準の「病気の活動性や検査数値ばかりが認定対象なのではなく、全身状態、術後の経過、予後、原疾患の性質、進行状況等、具体的な日常生活等から総合的に判断する」はどこへ行ってしまったのでしょう?やはり私としては納得がいきませんので、再審査請求することにします。

 

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