急性骨髄性白血病の障害年金申請|2回の造血幹細胞移植と再発を繰り返し2級認定となった事例

この案件で難しかったのは、急性骨髄性白血病そのものだけでなく、再発・再々発、2回の造血幹細胞移植、GVHD、易感染性、貧血や出血症状など、長期治療による全身状態の悪化をどこまで障害年金の審査に反映できるかという点でした。
診断書上の検査値だけを見ると3級相当は十分見込める状態でしたが、実際の病状はそれ以上に重く、寛解と再発を繰り返しながら治療を続けている経過そのものを丁寧に整理する必要がありました。

入院仲間のご友人と一緒にご相談

この方は、以前当事務所で障害年金をお手伝いしたお客様と入院中に知り合われ、そのご友人と一緒に面談へお越しになりました。
お二人から闘病中のお話を伺うと、長い入院生活の中で励まし合いながら築かれた深い友情が伝わってきました。

白血球14万超から急性骨髄性白血病が判明

最初の症状は耳の閉塞感でした。
その後、意識を失うこともあり、かかりつけ医を受診したところ、白血球数は145,200と著しい高値でした。
すぐに大病院へ転院し、急性骨髄性白血病と診断されました。
化学療法を受けましたが寛解には至らず、さらに別の病院へ転院して造血幹細胞移植を受けました。
退院後も体力は大きく低下し、1日の50%以上を横になって過ごす状態が続きました。
さらに、初診日から1年6か月頃には再発が確認され、2回目の造血幹細胞移植を実施。その後はGVHDも生じました。
しかし、2回目の移植から約1年後には再々発が判明しました。
易感染性も強く、複数回の感染症に罹患したほか、貧血症状、血小板減少に伴う出血症状も続いていました。

実務上のポイント① 血液検査の数値だけで障害の程度を判断しない

血液疾患の障害年金では、ヘモグロビン値などの検査所見は重要です。
今回、ヘモグロビン値は8~9前後で、一般状態区分は「ウ」でした。
この数値だけでも3級相当は十分に考えられる状態でしたが、実際の生活状況を見ると、問題はそれだけではありませんでした。
・1日の半分以上を臥床している
・再発を繰り返している
・造血幹細胞移植を2回受けている
・GVHDが生じている
・易感染性が強く、感染症を繰り返している
・貧血による倦怠感が強い
・血小板減少による出血症状がある
など、治療経過全体と日常生活への影響を総合して見る必要がある状態でした。

実務上のポイント② 「寛解した時期がある」だけで軽く見ない

白血病では、治療によって一時的に寛解したとしても、その後再発することがあります。
今回も、治療によって状態が改善した時期がありながら、その後再発、再々発を繰り返していました。
障害年金の申請では、ある一時点だけを切り取るのではなく、治療の継続性、再発の有無、移植後の合併症、感染リスク、全身状態の変動まで含めて評価することが重要です。

実務上のポイント③ 移植後の合併症も生活障害として整理する

造血幹細胞移植を受けた後は、治療が終わったからすぐ通常の生活に戻れるとは限りません。
今回もGVHDが生じ、さらに易感染性も強く、感染症を繰り返していました。
こうした状態では、外出、通院、日常生活、就労のいずれにも大きな制限が生じます。
そのため、単に「移植を2回受けた」と記載するだけでなく、移植後にどのような症状や合併症が続き、それによって生活がどの程度制限されているのかを具体的に整理しました。

急性骨髄性白血病で障害厚生年金2級に遡及認定

申請の結果、障害厚生年金2級が遡及して認定されました。
今回の認定では、2回の造血幹細胞移植、再発・再々発、GVHD、易感染性、貧血・出血症状など、長期間にわたる治療経過と全身状態の重さが総合的に評価されたものと考えています。
白血病の障害年金では、検査数値だけではなく、寛解と再発をどのように繰り返しているのか、移植後にどのような合併症があるのか、日常生活でどれだけ横になって過ごしているのかまで確認することが重要です。
治療期間が長くなれば、入院費や薬代など経済的な負担も大きくなります。
ご本人からは、障害年金が決まったことで、これまでより安心して治療を続けられるとおっしゃっていただきました。

この度は当事務所へご依頼いただき、ありがとうございました。

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