児童扶養手当と障害年金の子の加算(加給年金)

 ①児童扶養手当とは何ですか。

児童扶養手当は、離婚によるひとり親家庭などの生活の安定・自立促進に寄与することにより、その家庭において養育されている子どもの福祉増進のために支給される手当です。

 ②児童扶養手当の支給対象になるのはどのような場合ですか。

支給対象は、以下のいずれかに該当する子(18 歳に達する日以降の最初の3 31 日までの子。なお、障害児の場合には 20 歳未満)を監護する母や父、または養育者(祖父母など)です。

①父母が婚姻を解消した子
②父または母が死亡した子
③父または母が一定程度の障害の状態にある子
④父または母の生死が明らかでない子
⑤父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた子
⑥父または母が1年以上遺棄している子
⑦父または母が1年以上拘禁されている子
⑧母が婚姻によらないで懐胎した子
など。

ただし、婚姻を解消していても離婚した父または母と生計を同じくしているときや、国内に住所がないときは支給されないなどの要件もあります。ご自身が支給要件を満たすかどうかについては、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

 ③児童扶養手当の手当額はいくらですか。

手当額は以下のとおりです。* 具体的な手当額は所得に応じて決まります。
○子ども1人目
 全部支給:41,020 円(月額)
 一部支給:41,010 円~9,680 *(月額)
○子ども2人目 5,000 円(月額)
○3人目以降 1 人につき 3,000 円(月額)
※子どもが2人以上いる場合、1人目の額に2人目以降の額が加算された額になります。

 ④所得制限とは何ですか。その額はいくらですか。

受給資格者(母子家庭の母、父子家庭の父など)、受給資格者と生計を同じくする民法上の扶養義務者(子どもの祖父母など)などについて、それぞれ前年の所得による所得制限があります。所得制限の額については扶養親族の数などによって異なります。詳しくはお住まいの市区町村までお問い合わせください。
■参考 所得制限限度額(年間収入ベース)(平成 26 4 月現在)
受給資格者の収入(母と子の 2 人世帯)*
 ・130 万円未満 :全部支給(月額 41,020 円)
 ・130 万円以上 365 万円未満 :一部支給(月額 41,010 円~9,680 円)
 ・365 万円以上 :支給なし
* 130 万円、365 万円は給与所得者を例に、給与所得控除額等を計算して示しているもので、あくまで目安です。

 ⑤児童扶養手当を受給するには、どのような手続きが必要ですか。

児童扶養手当を受給するにはお住まいの市区町村への申請手続きが必要です。申請には、申請時に記入する認定請求書のほか、戸籍謄本など支給要件に該当する事実が分かる書類、住民票など世帯の状況が分かる書類、所得の状況が分かる書類などが必要となります。該当する支給要件によって必要な書類が異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせください。

 ⑥一度手続きをしたら、その後の手続きはどのようになりますか。

毎年8月に世帯の状況や所得の状況などを確認する「現況届」を市区町村に提出します。また、子どもの祖父母との同居、子どもの1人が父親または母親に引き取られたなど世帯の状況が変わった場合や、再婚など資格喪失する事由が発生した場合には、その都度届出が必要です。

 ⑦障害年金の加給年金との調整はどうなりますか。

同一の子を対象とした子加算または児童扶養手当を受けることができる場合は、一律に子加算を優先して受け取ることになります。そのうえで、子加算の額(配偶者が年金を受けている場合は、配偶者自身の年金と子加算との合算額)が、児童扶養手当の額を下回る場合には、その差額分の児童扶養手当を受け取ります。

 ⑧障害年金を受給中の一人親には児童扶養手当が支給されない?!

驚いてしまう仕組みですが、児童扶養手当の本来の趣旨(離婚によるひとり親家庭などの生活の安定・自立促進に寄与することにより、その家庭において養育されている子どもの福祉増進のために支給される手当)と併給調整の関係から、一人親家庭であるとき、すなわち、「障害年金受給者である親と子」で構成される一人親家庭の場合、障害年金への子の加算を優先し、児童扶養手当を受けることはできません。また、子の加給年金と児童扶養手当のどちらか高い方を選択することもできません。。。私たち社会保険労務士も、この仕組みには気をつけておきたいところです。

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